スイス・シュビーツにあるヘルロッホ洞窟でツアーに参加
2022年7月初旬に、スイス中央部のシュビーツにあるヘルロッホ洞窟に行ってきました。スイスの鍾乳洞というと、他には、トゥーン湖の側にある聖ベアトゥス鍾乳洞あたりが有名だと思うのですが、今回はあえて、少しマイナーなこのヘルロッホに行ってきました。実はこの洞窟、自由に入れるというわけではなく、ツアーに参加しないといけません。たぶん、海外でこういったツアーに参加するというのは、よくわからないし、少しハードルが高いなと思っている方もいらっしゃるかと思います。そういった方々に向けて、洞窟ツアーはどういう感じで行われるのか、をお伝えすることで、よしちょっと参加してみるか、となって頂けたら嬉しいので、実際に一人で参加し、調査してきました。
この記事の対象者は、
スイスのヘルロッホ洞窟に興味があるが、以下のことが不安で躊躇されている方
・ツアーでないと入れないらしいが、そのツアーは一体どういったものなんだろうか。
・言語面で不安だけど、参加しても問題ない?
・一人で参加しても大丈夫?
・必要な装備は?ヘルメットは持参する必要あるの?どんな靴がいいの?
等々です。
おそらくは、ヘルロッホ洞窟って言われても、聞いたことない方が多いのではないかと思います。スペルは、Höllochと書きます。日本語での読み方をどう表現するか迷ったのですが、Google Mapのカナ表記を信じて、ヘルロッホと書くことにします。
まずは、ホームページからご紹介します。ツアーの予約もここから行います。
https://www.trekking.ch/hoelloch?lang=en
ここを見ると、Biggest cave system in Europe と書かれています。systemって何なんだ、というのが気になりますが、一般的には、ヨーロッパ最大はスロベニアにあるポストイナ鍾乳洞と言われています(たぶん全長でみて、だと思います)ので、さすがにヨーロッパで最長ではないですが、cave system?は最大のようです。いずれにしても、それなりに大きいことには間違いないようです。ちょっと面白そうなので、実際に行ってみることにしました。
先ほどのWEBページから、一番入門編と思われる「HÖLLOCH SHORT TOUR」に申し込みました。10:00-12:00の2時間コースで、35スイスフラン。まあまあ高いです。他のコースを覗いてみると、1泊や2泊のコースもあるようです。が、今回は最初ということもありますし、まずは調査ということで、ショートコースにしてみます。HPで写真を見ると、みんなヘルメットをかぶっているようです。まさか持参じゃないよな(持ってないし。)、と思っていると、予約確認のeメールが飛んできました。こんな感じで、To bring:欄に、ヘルメットは記載されていないようです、よかったです。そのかわり温かい服と、グリップの利くしっかりとした靴が必要のようです。私は登山靴を持っているので、それを持っていくことにしました。

行き方も、How to get there:に書かれています。車で行かれようとしている方で、GoogleMapをナビにしている方は、Gasthaus Höllochを目指してください。ここに書かれているRestaurant Höllochでは出てきません。また、öについてですが、そんな文字は打てないよ、という方は、oeに置き換えてください。つまり、Hoellochと入れるということです。
ということで、あまり予備知識もないまま、このeメールに書かれていることだけを頼りに、単身、ツアーに乗り込みます。Gasthaus Hölloch迄は車で行きました。
駐車場に到着しました。下の写真の左側に写っているのが、Gasthaus Höllochです。この奥にも駐車場有りますし、手前の右側にもあります。そもそもこんなところまで来る車は、ほぼヘルロッホ洞窟目当てで、かつツアー参加者だけなので、停めるところには困りません。

このPマークの下には、Resutaurant + Höllochと書かれていて、もうどちらのお客さんも停めていいという状態のようです。

先ほどのeメールには、このレストランから70メートルほど登って・・と書かれていますので、車を停めて、Hölloch Centerというところを目指します。その途中の左側にある(おそらく唯一の)建物が、これになります。なぜ撮ったかと言いますと。。

ここが公式トイレになっています。普通のマンションの入り口のようですが、Höllochのお客さん向けのトイレと書かれています。見逃しがちなのですが、ここでしっかり済ませましょう。というのは、この先にはトイレはありません。Hölloch Centerに行っても、結局トイレはここを案内されます。

ここから、こんな道を少しだけ上がっていきます。下の写真では既に左前方にHölloch Centerがちらっと写っています。それくらい近いです。

到着しました。これがHölloch Centerです。もっとセンターらしきものを想像していましたが、思ったよりも(良く言うと)味がある建物です。

ここで受付を済ませます。中に入り、紙に、氏名と電話番号、メールアドレスを記載して、受付完了です。後は時間になるまで待ちます。結局、集まったのは、20名くらいでした。グループでいうと、5,6グループくらい。ほとんど家族連れでした。こういう状況ではよくあることですが、ちびっ子達のほうが、実はリアクション正直で、この1人だけの怪しげなアジア人はなんなんだ、という感じで私を見ています。(おじさんはね、旅に不安を感じているかもしれない日本人の方々から、少しでも不安を取り除いてあげられるよう、頑張っているんだよ。君たちもいずれわかるときがくるよ)そうにっこり笑って、瞳で訴え返します。
結局、この約20名で、ツアー開始です。ガイドさんが参加者に、ドイツ語わかるか?と聞いていて、その受け答えを見ていたところ、4分の1くらいは、ドイツ語がわからないと言っていました。なので、ドイツ語がわからなくても、あまり引け目を感じることはないです。確かに、説明されてもよくわからないことがありますが、たまに英語を交えてくれたりしますし、なにより、目で見て肌で感じることを目当てで来ていますので、私は全然気にしません。(たまたまだと思いますが)今回ついてくれたガイドさんは英語があまり得意ではないらしく、英語とドイツ語がわかりそうな人を見つけて、「いまの英訳してよ」と言う感じで、他の参加者が急遽通訳する、みたいな和気あいあいとした雰囲気で進められます。なにより、これはスイス人、特に観光従事者全般に言えるのですが、英語が得意ではない人は、自分がだめで申し訳ないという気持ちが強いようで、最後にこんな私にも「英語がうまくなくて、ごめんなさい」と謝ってきました。いやいや、そちらが謝る必要はなくて、ドイツ語がわからないのに、参加しているこっちが悪いんです、と言いたくなります。こういったところが、日本とはだいぶ違う気がします。そんな感じなので、ドイツ語どころか、たとえ英語が得意でなくても、お互い第二外国語同士で、拙いコミュニケーションをとっていくことはできますし、まあ、極論、話さなくても、ついていくだけでなんとかなります。詳しい説明を理解したいと思わなければ、言語面はさほど心配しなくてもいいと思います。ツアー中は、ガイドさんからこちらに何かふられるということも特になかったです。
早速、ヘルメットが配られます。このヘルメット、全部同じサイズで、微妙にサイズ調整ができます。このタイプは、黄色のダイヤルのようものでサイズ調整できましたが、タイプによって違うかもしれないので、そこは臨機応変にお願いします。また、洞窟内は6度とのこと、かなり寒いので暖かい恰好をするようにアドバイスがあります。

装備も完了。いよいよツアー開始です。テンション上がってきました。朝からうすうす感じていたのですが、私のこの動き、もはや世界ふしぎ発見のミステリーハンター状態です。私が昔よく見ていた頃は、全問記述式でしたが、最近ではかなりリニューアルされていて、選択問題も混じっているのをみました。坂東英二さんも出ていないようでしたし、ルールも含めて、今ではだいぶ変わったようですね。ということで、最初のクエスチョンは選択式で出題してみます。
第1問。最初にガイドさんからこのヘルロッホ洞窟の概要説明がなされます。さて、このヘルロッホ洞窟の全長はどれくらいでしょうか?
①約200m
②約2km
③約20km
④約200km
今でも野々村真さんはボケ担当なのでしょうか。最近の役回りはよくわかりませんが、昔は黒柳徹子さんは絶対に正解、それに坂東英二さんが追随し、たまにトップ賞をとるという展開でしたよね。これは、彼らにとっては、簡単すぎたかもしれないですね。
正解は、④です。201.2kmと書かれています。

さらに、全部の地図が貼られていましたが、とても収まりきりません。この地図でいうと、今は左の端っこにいるのですが、ガイドさんは、今日は頑張って右のほうまで行くとか軽いジョークを飛ばしています。聴衆は、微妙な空気です。きっとまだツアーが始まったばかりだから、温まり切ってないんでしょう。ガイドさんのせいではありません。

洞窟の入り口までは、山道を登っていきます。ゆっくり10分くらい歩きます。

一行は、洞窟の入り口に来ました。入口の横には、ロゴが掲げられています。たぶんコウモリをデザインしてるんだと思いますが、個人的には、いかがなものか、という気もします。入口には鍵がかけられています。

ガイドさんが鍵を開けて、一列になって中に入っていきます。確かにひんやりします。これは夏とはいえ、半袖はつらいと思います。

中は、本当に明かりはありません。ツアーの方々のヘルメット前方に取り付けられてライトだけが頼りです。したがって、前に歩いている他の参加者が振り返ると、まぶしいし、写真が逆光みたいになります。撮影のタイミングが難しいです。

このショートコースは、距離にすると、おそらくそこまで長くないと思いますが、意外とアップダウンはあります。それと足元ですが、かなりぬかるんでいるところもあります。最後のほうに、私の靴の汚れ状況の写真をアップしましたが、たしかに、これは靴がぐちゃぐちゃになります。水が染みるような靴は不向きだと思います。
途中で、ガイドさんが一行に対して、全員ライトをオフにするよう指示があります。ある地点で、1分間くらい真っ暗で静かな状態で、水滴の音だけをひたすら聞くというイベントがあります。これは、私は、実は他の国でもこういったツアーに参加したことあるのですが、やはりこのイベントはありました。どうやら鉄板イベントのようです。

一行は、どんどん下っていきます。さてここでクエスチョンです。
第二問。下っていった先には何があるでしょうか?
だめです、私、出題のセンスはないようです。ミステリー感は全く感じられませんよね。これでは、単に「私が何をしたでしょうか」を聞いているだけの、ただの出来事クイズみたいになっていることは自覚しています。申し訳ありません。
正解は、川です。

というか、本当はこの先も道は続いているようですが、今日は水が多くて、ここまでしか行けません。本当はあと200、300メートルは行くはずだったとのこと。相手が自然ですので、仕方ないですよね。ちなみにですが、2018年にこの洞窟で、ツアー参加者8名が洞窟内に取り残されるという事故があったようです。このときの原因は洪水だったようです。外は晴れていても地中の状況はわからないものですね。もちろん、そういったのは、もっとハードなコースだったでしょうし、今回のようなショートコースは全くもって安全です。
さて、ここの行き止まりから戻ってきて、今度は別の道に行きます。
そろそろCMの頃でしょうか。この~きなんのき、きになるき~(きになるき~)は、今でもやっているのでしょうか。今の状況はわかりませんが、頭のなかでは軽快なメロディが流れ続きます。

下にいける階段を発見。けれども、今回のショートコースでは、この下には下りていきません。残念です。

さらに、別のところにも、行けそうなハシゴが。残念ながらここも今回は行けません。ここなんて、本当に下ってみたかったです。

さて、ここで、ラストミステリーです(たしかそんなフレーズだったような)。皆さん、スーパーひとし君は残していますかぁ?
最終問題。この洞窟にある、ちょっと変わった娯楽施設は何でしょうか?
今でも野々村真さんは、ボケ担当として「カラオケ」とか答えてくれるのでしょうか。黒柳徹子さんが、横で「あーた、カラオケって。」って失笑されそうです。
正解は、バーです。

バーカウンタ―らしきものもあります。それにしても、、もう一回言わせてください。このロゴ、いかがなものでしょうか。これでは、完全に悪魔城ドラキュラです。

これでだいたいツアーは終了です。最後、出発したセンターまで戻ってきて、終わりです。洞窟内にいたのは、正味およそ1時間くらいでしょうか。率直な感想としては、少し物足りなかったです。もう少し奥まで行きたかったのですが、ショートコースなので仕方ないですかね。あと、例えば、巨大な鍾乳石とか、青い地底湖とか、ハイライトのような見せ場がなかったのが、少々残念です。きっと、もっと長いコースなら、見せ場があるのかもしれないです。そう思って、最後、ガイドさんに、もっと奥に行きたかったんだけど。と言ってみたら、それなら10名以内のグループで特別オファーを出して、ガイドしてもらうのがいいと教えてくれました。こんなマニアックなことに付き合ってくれる10名なんて、なかなかいないですよね。
それから、ホームページに載っている写真で、ツアー参加者たちが仲間のようになって撮っている写真があったりもするのですが、そんな関係性にはなりません。少なくともこのショートコースでは。私の場合は、一人で参加してそういう空気になったら、ちょっと嫌だなという思いも正直あったので、結果的にそういう雰囲気にはならずに、よかったです。ですので、私のように一人でも気軽に参加できると思います。言葉もそれほど心配要りません。
最後に、私の登山靴の汚れ具合を撮りました。ご覧のように、結構どろどろになります。ショートコースに参加される場合でも、靴は染みなくて、ある程度汚れても問題ないような靴にしたほうがいいです。

駐車場に戻ってきたときには、すっかり昼の日差し。スイスののどかな風景を見ながら、今朝自分でつくってきたおにぎりを食べて、帰路につきました。

もしこの後、まだ周辺で観光したい、何か他に見どころはないのか、という方がいらしゃいましたら、帰りのヘルロッホからシュビーツへ出るまでの間(ここはほぼ一本道なので、まず通ると思います)に、シュトースバーンという世界一急こう配のケーブルカーがありますので、寄ってみてはいかがでしょうか。私は今回はパスしましたが、以前撮った写真を貼っておきます。

ちなみに、今回、帰りにこのシュトースバーン付近を通りがかったのは、日曜の13時頃でしたが、すぐ近くの駐車場はかなり埋まっていました。この時期(7月)はかなり人出があるようです。すぐ近くが満車だった場合は、シュビーツから来て行き過ぎたところ(ヘルロッホから行くと手前側。)にも、道路沿いに何か所か駐車場があるようで、そこらはまだ空いていましたので、すぐ近くが満車でも焦せる必要はないと思います。対向車線を走行しながらの私の観察によると、だいたいの車は、シュビーツから来て手前でノロノロ運転しながら、駐車場を探している感じでした。が、だいたいそういった(シュトースバーンの)手前側に限って、空いていません。ここは自信満々に行き切ってしまってください。まあ、でもここ目的に来る場合は、安全に、午前中に到着すれば安心ですよね。
以上が、今回のヘルロッホ洞窟ツアーのお話でした。来週のミステリーは、、未定です。
では、また。