スイス南部の激アツ案件(※あくまで個人の感想です)
皆さん、「激アツ」と「胸熱」の違いってご存知ですか?よく似ているようですが、どうやら日本語的には、使い方に違いがあるようです。「激アツ」とは、「興奮・熱中・熱狂できるさまを形容する言い方」だそうで、一方の「胸熱」とは、「感動によって気持ちが高ぶるさま」を指します。要するに、興奮=「激アツ」、感動=「胸熱」と思っておけばよさそうです。WBCで言えば、大谷選手がチェコチームの帽子を被って空港に現れたのが「胸熱」、準決勝メキシコ戦で村上選手のサヨナラヒットが「激アツ」だったということですね。あくまでアベレージ的観点からの例え話です。
すいません、前置きが長くなりました。今回、私はスイス南部のメンドリシオという場所に行ってきました。なぜメンドリシオかと言いますと、ここには、私にとっての激アツ案件があったからです。
メンドリシオには、フォックスタウンという、スイスでは有名なアウトレットモールがあります。が、今回の目的地はそこではありません。その近くにあるGALLERIA BAUMGARTNERという鉄道模型博物館です。鉄道模型の博物館ですから、さすがに感動=「胸熱」ではないということです。
この記事の対象者は
ヨーロッパの鉄道および、鉄道模型博物館に興味がある方。とはいえ、鉄道マニアではなく(私は別にマニアではありませんので)、私くらいの程々に興味があるくらいの人が、ちょうどいいかと思います。
そして、GALLERIA BAUMGARTNERは、どういったところなのか。どうやって行くのか、駐車場はあるのか、模型ショップの様子など、気になっている方が対象になってくるんだと思います。
まず行き方からご説明いたします。まずメンドリシオという街は、スイスの最南部、ほぼイタリア国境近くに位置しています。ルガーノよりさらに南です。高速道路も鉄道も通っているところなので、想像よりはアクセスはし易い街ではあります。

さて、高速道路でやってきた場合、下りてから割と近くに、Fox Townというアウトレットがあります。一方、GALLERIA BAUMGARTNERは、メンドリシオ駅のすぐ近くにあり、Fox TownとGALLERIA BAUMGARTNER間は、1km弱、徒歩10分くらいです。位置関係はこんな感じです。

何が言いたいかと言いますと、例えば、夫婦2人と、男の子のお子さん1人のご家庭があった場合、車でFox Townアウトレットモールまで行き車を停めて、奥様にはショッピングを、そして、旦那様はお子様を連れて、鉄道模型博物館まで歩いて行ってくる、なんていうプランも可能です。世の奥様方は、きっと普段は子育てに追われて苦労されていることと思います。そこで、「今日は子供を見ておいてあげるから、ひとりで存分にショッピングを楽しんでね」とか言って、クレジットカードを渡して颯爽と立ち去る、なんていかがでしょう。あ、だけど、この後触れますが、入場料かかるので、所持金全部渡してしまわないようご注意ください。
ちなみに、このプラン、日曜日も可能です。フォックスタウン、GALLERIA BAUMGARTNERともに日曜日も営業していますので。
下写真は、フォックスタウンのP1の入口です。私はだいたいP1を目指します。フォックスタウンならP1かP2でしょうね。P5はまず停められません。

この日は3月前半の日曜日。11時半頃のフォックスタウンの駐車場(P1)の状況です。ご覧のようにまだ空いています。スイスに限らず、外国では日曜の午前中は、本当皆さん、外出はあまりしないようです。だいたい、どこも午後から混み始める傾向があるようです。それから、フォックスタウンの駐車場は無料です。

一方、鉄道でこのGALLERIA BAUMGARTNERに行くことも容易です。Mendrisio駅に着くことさえできれば、目の前です。この下写真は、背後が駅、左側が(有料駐車場を挟んで)線路がある、という位置関係です。

では、GALLERIA BAUMGARTNERには駐車場はあるのか、これについても調査してきました。駐車場は、この施設の敷地に入ります。右に入っていくということです。まあ、徒歩でも右に入っていくんですけどね。すると、建物を回り込む形で、駐車場がありました。が、ここ、見るからにかなり狭いです。

そして、すべて停めていいというわけではなさそうです。地面にGBの文字が書いてあるスペースが駐車可のようです。このGB文字、実際のところ、3、4スペースくらいしかなかったと思います。そもそもそんなに混む施設ではないという前提なのでしょうか。私が行ったときはガラガラでしたが、どうなんでしょう、停められないということも十分考えられます。

そういった場合(停められなかった)は、さっきの前の道路を挟んで向かい側にある有料駐車場に停めることになるんだと思います。こちらは十分過ぎるほどスペースはあります。

このような機械タイプの駐車場でした。5時間で10フラン?場所の割にちょっと高くないですか?駅前だからでしょうか。

さて、周辺確認はこのくらいにしておいて、いよいよ博物館の中に入ります。

と、その前に料金確認です。1人12スイスフランです。ティチーノ州のパスのようなものがあると割引になると言っていました。ごめんなさい、私、そのパスのことはよくわからないので、ふーんそうなの?で済ませます。

中に入ると、早速、大量にディスプレイされた鉄道模型が目に飛び込んできます。大きいタイプから、Nゲージまでいろいろな種類がありますが、品揃えの中心は、HOゲージのようです。日本ではNゲージが主流ですが、ヨーロッパではHOゲージが主流となっています。あ、HOゲージとは、Nゲージよりは少し大きいタイプです。内装も結構凝って作られているので、見ていて楽しいタイプと言えると思います。

ここはスイスですので、一番多いのがやはりスイスで走っている(または走っていた)鉄道です。この赤いのは、遠くからでもすぐにわかります、レーテッシュ鉄道の車両ですね。

ここなんかは、完全にスイスのSBB一色ですね。氷河特急の車両があったりします。これは楽しいです。興奮してきます、激アツです。

下なんかは、引っ張る車両が中心です。機関車っていうんですかね。日本の電車と違って、ヨーロッパの鉄道は、機関車が客車を引っ張るタイプが主流です。そして、(少なくとも)ドイツ語圏では、機関車をLocomotive(ロコモティブ)、客車をWagon(バゴン)と呼んだりします。あ、くれぐれも言っておきますが、私は別に鉄道マニアというわけではありません。至って普通の人間です。

これこれ、この赤いロコモティブ、スイスで走っているやつです。よく見かけます。420形ですね。その右の緑色の420形も、なかなか渋いですねー。

この下のやつは、先ほどの420形より少し長いタイプとなります。620形、6/6(ロクロク)とか呼ばれているやつです。長い分、420形よりパワーがあるようです。この6/6の特徴としては、車両全体が長くなった分、車両の横の真ん中あたりに、州というか地域のマーク(州旗のようなもの)が入ります。きっとマニアの方は、このマークの違いにもこだわるんだと思います。(私はそこまでこだわりませんよー)

例えば、下の緑の6/6、真ん中あたりについているマークから推測するに、これはベルン州の車両ですね。

少し話が戻ってしまいますが、420形も4/4と呼ばれたりしています。スイスでは厳しい登り勾配があったりするので、パワーを補うために4/4と6/6を連結させて、10/10なんてことをすることもあるそうです。そこまで来ると、もしかしたらマニアの方は、10/10にして展示してくれよ、てな声が聞こえてきそうですが、私はマニアではないのでそこまでは要求しません。気になる方は、例えば、「SBB 10/10」なんかで検索すれば、2台連結された画像が出てくると思いますので、そちらでご確認ください。
おー、これは通称「チャーチル」と呼ばれる、特別観光列車です。今でも主に貸し切りのイベントのときなんかに、たまに走っていることがあるそうです。

Cargoと書かれた貨物のロコモティブも格好いいですよね。これはよくよく見かけますね。

これは、ゴールデンパスエクスプレスですね。モントルー~インターラーケンを走っている列車です。

スイス以外だとこんなのもいました。オリエントエクスプレスと書かれています。が、私は乗ったことも見たこともないので、わからないのですが、雰囲気からして、これは昔の車両ですかね。

ドイツバーンからは、まずはICE。よく遅れるやつです。正直、私はあまりいい思い出はありません。見た目は好きですけどね。

これはドイツバーンの、リージョナルのタイプですね。COMMERZBANK(コメルツバンク)と書かれています。

おっと、上を見上げると、列車が走っているではありませんか。これはレーテッシュバーンですね。

2階に上がってみます。というか、2階に上がるまで、1階で相当な時間を費やしていまいましたが。2階はこのように椅子があって、走っている鉄道模型を眺めていられるところがあります。

こちらのジオラマの全体はこんな感じです。吹き抜け部分に作られたものなので、山などは表現できなかったようで、その点では、リアリティに欠けるかもしれませんね。

一応、橋梁を走るところを、撮影しました。けど、背景が、(結局吹き抜けですので)1階の展示スペースが写りこんでしまうので、ちょっと納得いかないですね。

次に地下に移動します。こちらには、もっとしっかりと作りこまれたジオラマがあります。さあ、ここで私のiPhoneを使っての撮影大会が始まります。大会のコンセプトは、iPhoneのみで、できるだけ本物っぽい写真を撮るかです。ということで、一人で、ひたすら写真を撮り続けます。

どうでしょう、駅のホームを撮影しました。SLが入線してきています。

こちらも駅の別アングルです。架線の感じがリアルっぽいですよね。

これはSLの車庫ですね。京都の梅小路機関車庫のイメージです。

こんなことをしているうちに、あっと言う間に時間が経ってしまいました。ここまで真剣に撮影している人は、たぶん他にあまりいなかったと思います。外人さんたちは、ふらっーと来てふらっーと立ち去っていく感じです。ここまで真剣に見ていくのは、我々日本人くらいなんでしょうかね。
名残惜しいですが、出ることにしました。ちなみに、この博物館には、鉄道模型ショップも併設されています。このショップは、博物館に入場しなくても入れるようになっていました。が、ちょっと小さいですね。

販売されているのは、やっぱりHOゲージが中心です。これも、ヨーロッパではHOが主流だからだと思います。

値段はというと、おー、なかなかのお値段です。ロコモティブに関しては、200フラン台~300フラン台といったところでしょうか。まあ、それはそうですよね。動力付きですのでどうしても高くなります。とはいえ、それでも、やっぱりロコモが欲しいな、とは思いました。

一方で、すべてがすべて高いかというとそうではなくて、Wagon(バゴン)については、50スイスフランくらいです(もちろん幅はありますが)。Wagonとは客車のことで、下写真のタイプです。これは、引っ張られるだけなので、動力はついていません。単なる模型です。

これなんかも、昔の車両で、Wagonです。いつかロコモが欲しいけど、今日のところは、せっかく来たし、Wagonを買って帰ることにしました。あくまで、飾り物と割り切って、ということです。

最後に、模型ショップのさらに奥に、カフェがあったので、立ち寄りました。まあ、一見すると下写真のように、何の変哲もないお店なのですが・・。

実は、奥の扉の先は、ちょっとした駅のホームのようになっていて、昔の車両が停まっています。これを横目に見ながら、コーヒーを飲むことができます。これもなかなかアツいです。

ここに停車している車両、貴賓室が後ろに連結されています。普段は扉が閉まっていて、鍵がかかっているようですが、店員さんが鍵を開けて、中に入れてくれました。これは中の様子です。この中では、お茶はできませんので、ご注意を。

いかがでしたか?ヨーロッパの鉄道や、鉄道模型に少しでも興味がある方にとっては、なかなかの激アツ案件だと思いませんか?これだけ楽しめて、かつ、フォックスタウンに戻ったら、奥様が買い物を終えて、満足されているようであれば、それはもうWin-Winですね。家庭円満にも繋がる今回のGALLERIA BAUMGARTNER、是非ご一考を。それではまた。