古城ホテルに泊まる パート2 in ヴュルツブルク
以前、シェーンブルク城という古城ホテルに宿泊したときのことを、書かせて頂いたことがありました。今回は、その「古城ホテルに泊まる」の第2弾です。今回目指したホテルは、Schloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)といって、Würzburg(ヴュルツブルク)にあるホテルです。2023年2月下旬の普通の土日を使って、1泊2日で、ヴュルツブルク&バンベルクの観光も交えて、出かけてまいりました。今回の記事では、一応メインとなるシュロスホテル シュタインブルクというホテルについて書かせて頂き、次回以降、時間が許せば、ヴュルツブルクとバンベルクの観光情報も書いていきたいと思います。だいたい、いつも長いと言われるので、こうやって刻んでいこうかなとも少し思った次第です。
この記事の対象者は
Schloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)という古城ホテルに興味があるが、以下のことが気になって、躊躇されている方。
・どうやって予約するのか?そして、その際、どの部屋(建物)を選ぶべきか?
・いわゆる「古城ホテルなのに新館」問題はあるのか?
・この古城ホテルの雰囲気は?
・古城ホテル内のレストランで食事をとるべきか否か。
・駐車場はあるの?
等々でしょうか。では、いきましょう。
まずは、Schloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)とは、どこにあるのか、からご説明致します。下地図のとおり、ヴュルツブルクの北東、街中からは少し離れたところにあります。この地図からはわかりにくいですが、山の上になります。

ヴュルツブルクの街から歩いて行く場合は、山に登っていく形となります。おそらく徒歩30分くらいだと思います(Google Map情報によると)。私は車で行きましたが、車の場合は随分と遠回りしていくことになりますので、実際は20分くらいはかかったと思います。ですので、歩きだからと言って、さほどタイムロスにはならないと私は思っています。実際、ホテル側から街方面を見ると、言うほど遠くないんじゃない?という印象は持ちました(ただ、登り、というだけだと思います)。

上は徒歩の場合の道のり。下は車で(私が通った)道のりです。

ちなみに、バス等の公共交通機関は走っておりません。タクシーという手もあるかもしれないですね。
と、まあこんな感じなので、今回の旅は、車で行こうか鉄道(+最後は歩き)で行こうか、最後の最後まで迷っていたのですが、迷っていたら直前になってしまって、鉄道も高くなってしまったので、結局車で出かけました。
立地に関しては、なんとなくご理解頂けたと思います。不便と言えば不便だけども、古城ホテルの割にはまだ便利な部類である(駅から歩こうと思えば歩けるので)、ということです。
さて、予約方法です。予約は、公式HPから行いました。結局、公式が一番安いと思いますし、部屋のカテゴリーを選ぶことができます。ただし、前回のシェーンブルグ城と違って、部屋単位までは選択できません。あくまでカテゴリーまで、となります。では、詳細をみていきましょう。公式HPはこちらです。
https://www.steinburg.com/en/welcome/
左側メニューのReservationから入っていくわけなんですが、その前に、建物の全体感から見ていきましょう。このホテルは、横長の敷地に、3つの建物が並んでいます。公式HP内に、ちょうどいい図がありました。これ(下)です、こういうことです。

真ん中の「traumschloss」と書かれている部分、英語ではCastle Manorと書かれていますよね。これが、いわゆるシャトー部分です。これを実際に撮ってきた写真で見ると、こんな感じです。

traumschlossはドイツ語でして、日本語訳は、「夢の城」です。「えっ、これが夢の城?」と思われる方も多いかと思いますが、あまり話を盛ってもよくありませんので正直に言いますと、はい、その通りです、これが夢の城ということなんです。私が謝ることではないのかもしれませんが、なんかすいません、という感じです。外観については、そういうことです。
続きまして、上の図でいうところの左側、landschlossと書いている部分です。すぐ下の英語では、Country Manorと書かれていますね。これが、こんな感じです(下写真)。中に入っていないので、何とも言えませんが、元々はお城っぽかったようですが、増改築されている様子が伺えます。純粋なシャトーという感じではなさそうです。

最後、右側。refugiumという部分です。これはさすがに、古城ホテルと言ってはいけないレベルです。超モダンです。

このrefugiumの背後に回り込んでみました。なんと言えばいいのか、新興地方都市のちょっとした市民ホールのような感じです。

ということで、ここまでの説明で、このホテルには、traumschloss、landschloss、refugiumという呼ばれる3種類の建物がある、というところまではご理解頂けたかと思います。
さて、ここで、「古城ホテルなのに新館」問題との関連について触れていきたいと思います。この問題は、せっかく古城ホテルに泊まろうと思ったのに、いざ行ってみたら、新館だったり(またはシャトー部分ではなくて”離れ”だったり)、という問題のことです。一方で、そもそもホテル側は「古城ホテル」と謳っているわけではないことが多く、単にロマンチックホテル、なんて言ったりしています。つまり、我々消費者側が、SNSやブログなどで、勝手に「古城ホテル」とか呼んでいるだけですので、日本でいうところの景品表示法(ドイツにあるかどうかは知りませんが)にもひっかからないというところなんだと思います。まあ、そもそも景品表示法は日本の法律ですが。それはいいとして、我々平均的な日本人は、古城ホテルに泊まりたい場合は、できるだけこの罠にひっかからないようにしなくてはなりません。
その観点からすると、もし、このSchloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)に、古城ホテル目的で宿泊される場合は、traumschlossを選択するべきだと思います。まずは、これが一つの結論となります。
しかし、実際に宿泊してみた感想としては、この結論が唯一無二の正解ではないような気もしています。なぜなら、このホテル、ロケーションが素晴らしいです。山の上の高台に位置しており、そこから眺めるヴュルツブルク市街やマリエンベルク要塞は、かなりいいと思います。そう考えますと、「古城ホテル」というジャンルではなく、「高台にある眺めのいいリゾートホテル」というジャンルと捉えた場合は、例えば、refugiumという一番新しい建物が、実は一番リゾート感を満喫できそうです。ですので、このホテルに何を求めるのか、が重要になってくるんだと思います。ちなみに、このホテルからどういった景色が望めるのかについては、後述していきます。
そうは言っても、私のように平均的な人間にとって、このSchloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)というホテルの存在自体、「古城ホテル」というワードを元に探していって辿り着く存在なんだと思いますし、そうじゃなければ、まずここに泊まろうと思わない方が多いんだと思います。ですので、唯一無二の正解ではないと思いますが、それでもアベレージ代表としては、今回は、目的としては「古城ホテルに泊まる」ということに絞って書いていきたいと思います。
ということで、公式ページ(https://www.steinburg.com/en/welcome/)から予約画面(Reservation)に入ります。日付を選ぶと、空いている部屋カテゴリーが選べるようになるはずです。
traumschlossは、(この時点で英語を選択している場合は)Castle Manor なんとか、と書かれている部屋カテゴリーになります。Country Manorなんとかは、landschloss。Refugiumなんとかは、Refugium(一番新しい建物)ですね。
繰り返しになりますが、このホテルの予約の仕組みは、部屋指定まではできません。あくまでカテゴリーを選択するところまでです。Castle Manor なんとかは、次のようにCategory 1とCategory 2の2種類出てくると思います。

さあ、これは私も予約時、すごい悩みました。さらにクリックすると説明が見れますので、それで判断してもいいと思います。簡単に言いますと、Category 1は、赤基調のクラシックスタイル、Category 2は、様々なタイプの部屋が用意されている、と書かれています。私はCategory 1を選んでみました。行ってみたわかったことですが、Category1のほうは、部屋数は少なくて(おそらく3部屋しかないと思います)、そのすべてが、眺望があまりよくありません。なぜなら、この赤い部屋があるゾーンは、建物の北側に面していて、北側は森側で、大して眺めがよくありません。このホテルは全体として南側が眺めがいいようになっています。
この「赤い部屋があるゾーン」というのは、下写真のように、この中に入っていくとここだけ壁が赤くなっています。逆にそれ以外の大部分の箇所は、ネイビーの壁です。おそらくは、ネイビーの壁のエリアはCategory 2。赤い壁のエリアがCategory 1なんだと思います。実際、私が宿泊した部屋(Category 1)はこの「赤い壁のゾーン」のなかでした。このゾーンの中には3部屋しかありません。これが、先ほど、「Category 1は3部屋しかないと思います」と言った根拠です。

この赤いゾーンの中に入っていくと、3部屋だけあります。いずれも、建物の北側。眺望は悪いです。

ホームページのCategory 1の説明に「with a magnificent view of Würzburg, the Main valley and the Dürrbach valley.」と書かれていますが、これは正確ではないと思います。まず、Castle Manor全体の説明としてこう書かれているのであって、ことCategory 1になると、with view of the Dürrbach valleyだけになるのが正解だと思います。ここは気をつけてください。
では、Category 2ならば、眺望はいいのか。これも難しいところです。Category 2は部屋が多いです。それこそ多種多様です。北向きも南向きもあります。この画面からはそれを選べないので、運次第なところはあります。
ということで、私の経験から言えるのは、Category 1は確実に眺望はダメ、調度品は確実に赤基調。Category 2は、眺望は当たりかもしれないし外れかもしれない、調度品も多種多様で行ってみないとわからない。ということです。是非、部屋カテゴリー選びのご参考にしてみてください。値段はほとんど同じです。
ここで予約できるのは、宿泊+朝食のみです。夕食はついてきません。シェーンブルクホテルのときのように、コース料理付きのプランというのはありません。私が予約した時は、宿泊+朝食で、147ユーロでしたので、このホテルはシェーンブルクに比べると少しお高いようですね。前回、あれだけ、一人でコース料理は修行だ、とか言っておきながら、このホテルの周辺にはレストランもないようですし、性懲りもなく、ホテル内のレストランを予約してしまいました。本当は夕食はどうするか迷っていたのですが、宿泊の予約確認メールに、こんなことが書いてあったので(レストランは人気があるので、ホテルゲストにテーブルを保証できない、みたいな。)、ついつい、予約しちゃいました。この予約もホテルのホームぺージからできます。
If desired, please reserve a table for dinner in Steinburgs restaurant in advance. Since our restaurant is also popular with people from Wuerzburg, we cannot guarantee a table for our house guests.
でも、あながち、これはハッタリではなかったです。実際、レストラン予約していないホテルゲストが、レストラン入口で断られている(というか、遅い時間ならOKと言われている)のを見ました。レストランで食事するつもりなら、迷わず予約しちゃってください。レストランの雰囲気も素晴らしいです。一人でなければ、最高です。
ということで、今回も、これで、また一人での修行確定です。
さて、当日、2023年2月下旬のお話です。行程としては、土曜日の朝に出発、車でヴュルツブルクに向かいます。本当は、まずはヴュルツブルクで少し観光してから、このSchloss Steinburg(シュロスホテル シュタインブルク)に向かいました。ヴュルツブルク観光については、このトピックからは割愛させて頂き(次回以降に書こうと思います)、ホテルに着いたところからスタートです。
おっと、その前に、一応このホテルもヴュルツブルク市内ということで、例のLow Emission Zoneについても触れておかねばなりません。調べたところ、2023年2月時点で、ヴュルツブルクにはLow Emission Zoneはありません。珍しいですね、これくらいの規模の街で、まだ採用されていないとは。ということで、車で行かれる方は、ヴュルツブルクにはスティッカーは時に気にせずに街に入ることはできます(2023年2月時点)。
駐車場は、建物の北側にまあまあ広い駐車場があります。ちなみに、下図は、ホテルのホームページに載っていたマップです。このP部分が駐車場。建物は、左からlandschloss、traumschloss、refugiumの並びです。エントランスおよびレセプションは、真ん中のtraumschlossにあります。

駐車場はこんな感じです。そういえば、レセプションで車のナンバーを聞かれました。覚えていない方は、停めたあと、写真でも撮って行ったらいいと思います。

これが北側、つまり駐車場側からの入り口です。実は後でわかりましたが、これは裏口のよう感じだと思います。南側に正面入り口があります。

裏口から入ったところです。この右の扉に入っていきます。これは、traumschlossの建物のなか、ということになります。そして、この先をしばらく進むとレセプションに辿り着きます。

レセプションは、人がいましたので、カメラは向けませんでした。それに、そこまで特筆すべきものでもなかったので。チェックインを済ませて、部屋に向かいます。レセプションに向かって、後ろ側の階段を上がっていくとレストランの入り口が見えます。部屋に行くには、このレストランに入っていく形で、入って途中の左側の扉に入っていきます。

客室エリアは、ほとんどがこのように、ネイビーの壁のエリアとなります。ここは、色の風合いから行って、Category 2ゾーンだと思います。なぜなら、この後ご紹介するエリアが、明らかに赤壁ゾーン(Category 1ゾーンと思われる)だからです。

下写真でちらっとおわかりでしょうか。通路の先のほう、明らかに、あのエリアだけ赤壁ゾーンです。そのエリアには3部屋だけあります。おそらくここがCategory 1です。残念ながら、全て北側で眺望は悪い方角です。

来ました。これが私が今夜宿泊するCategory 1の部屋です、Category 1とか偉そうに言っていますが、値段は、Category 2とほとんど変わりません。単純に、カテゴリーを分けているだけの呼び名です。
入った瞬間、まずは赤い・・、というのが第一印象です。確かに調度品はクラシカルかもしれません。が、どうなんでしょう。全体が赤というのは。これは、金田一少年の事件簿でいうと、赤髭のサンタクロースだったかな、異人館ホテルに真っ赤な部屋があって、そこに謎の人物がずっと泊まっていたという、あれみたいです。ちょっとマイナーですかね、すいません。ただ、確かに言われてみれば、ここ古城ホテルですし、気分はなんとなく、はじめちゃんになってきました。このあと、夕食は、一人コース料理という修行が待っておりますが、なんとか乗り切ってみせます!じっちゃんの名にかけて!!

部屋の状況はわかりました。続いて、ホテルを探索します。まずは、テラスに出てみると、ヴュルツブルクの街並みが良く見えます。これはなかなか気持ちのいいところです。ただ、2月はさすがにまだ寒くて、テラスには人は出ていません。夏ならかなりいい感じだと思います。

右の丘の上には、マリエンブルク要塞、そして、マイン川を挟んで対岸にはヴュルツブルクの街となります。マイン川です、有名なライン川ではありません。

夕食を予約していた時間になりましたのでレストランに向かいます。レストランは、traumschlossの建物のなかにあります。これは、素晴らしい雰囲気です。このホテルに泊まった全体の感想を言ってしまいますと、このレストランの雰囲気が一番良かったんじゃないかなと言ってしまってもいいと思います。ということは、部屋にはそこまでこだわらなくて、このレストランで夕食をとれれば、それで十分なんじゃないかという気もします。それくらい、素晴らしい雰囲気ということです。まあ、料理の値段は高いんですけどね。

論より証拠。お値段はこんな感じです。4コースディナーで84ユーロでした。さらに、ちょこっとワインも頂きましたので、実際はもう少しかかりました。たまには、こんな時があってもいいかと思い奮発しちゃいました。

まずは、ちょっとしたスターターです。上のメニューには載っていませんね。さあ、ここから、一人で次の食事を待ちながら過ごす時間が始まります。

サーモンのタルタルですね。なんか、前回のシェーンブルクの時に比べて、一人コース料理に対する、抵抗感が自分のなかで少なくなってきているのがわかります。前回の修行の成果でしょうか。それとも、じっちゃんの名のおかげでしょうか。

回りは徐々に席が埋まってきます。入ってくるお客さんは、だいたい一旦はこっちをちらっと見ます。そんなときは、もうこちらから、先にハローと声をかけることにしました。途中でちらちら見られるのは嫌なんで。先手必勝です。うん、自分でも成長を感じますね。あ、これがスープですね。なかなかの美味です。

メインは牛肉ですね。これも美味しかったです。金田一少年だったら、おーい美雪、うまいぞ、とかいいながら、がっつくところなのかも知れません。もうはじめちゃん、恥ずかしいからやめてよ、とか言って止めてくれる人がいるわけではないので、がっつくのはやめておきます。静かに頂きます。ちなみに、ここのレストランは、食事は全体的に美味しいと思いました。食事は、とは、言い換えると、デザート以外は、ということです。

デザートはというと、やっぱりドイツだなあという感じです。甘すぎです。そしてその甘さが単調なんです。やっぱりフランスとはかなり違うと思います。

食べ終わって、また城内を探索してみることにしました。ただ、これまたシェーンブルクとの比較になってしまいますが、ここはあまり探検するところはないです。あちらは、行き止まりと思えるところがまだ先に行けたりと面白かったですが、こちらはすぐに行き止まりです。下写真のような塔に上がるようなところも、上に行ったらすぐに行き止まりになってしまったり。下には何があるんだろうと下ってみたところ・・。

謎はすべて解けた!って言うほど大げさなものはなーんにもありません。ただのワインセラーです。

その他の施設としては、プールがありました。とはいえ、2月のこの寒い時期。じっちゃんの名にかけて、でも入る気もおきません。

最後、テラスからの夜景を撮影しました。夏場だったら、このテラスでコーヒーでも飲みながら過ごすのもいいかもしれないですね。

ホテルに来たときに入った入口とは逆の南側の入り口です。一応こちらが正面玄関側だと思います。ということで、正面側から見た建物夜景も撮影しました。こうやって見ても、お城というよりは、大き目の邸宅といった感じに見えます。

翌朝、昨晩のレストランが朝食会場になります。朝は朝でいい景色です。やっぱり、このホテルは、「高台にある眺めのいいリゾートホテル」というジャンルでもいいのではないか、と思える瞬間です。こうやって見渡してみても、周辺には他にこのホテルよりも眺望が良さそうなホテルはなさそうです。ですので、あまり「古城ホテル」という枠にとらわれずに、つまり、そこまで部屋にはこだわらずに宿泊し、そしてレストランで食事することで、古城の雰囲気を感じるというのも有りではないでしょうか、というのが、今回の体験を通しての私の感想です。

今回の古城ホテル宿泊レポートは以上となります。やっぱり長いですかね。それでは、また。