モンテネグロ・アドリア海沿岸の街へ ~ ②ブドヴァ&スヴェティ・ステファン編
前回の記事では、ポドゴリツァからオストログへ行き、再度ポドゴリツァに戻ってきたところまで書きました。オストログへの往復は鉄道を利用しましたが、ここから先のモンテネグロ内の移動はバスが中心となります。というか、この国で観光するには、基本的にはバス中心と考えて頂いていいと思います。鉄道網はほとんどありませんので。オストログへ鉄道を使って行ったのが、いわば例外的な扱いで、この国では、基本的にはバスの利用方法をおさえておけばいいと思います。ですので、今回は、モンテネグロ内でのバス利用について、お話させて頂き、それから、今回訪れたブドヴァとスヴェティ・ステファンについても、撮影スポット等を触れていきたいと思います。前回のポドゴリツァの記事で、モンテネグロなんて建物も旧共産国風だし、全然面白くないじゃん、と思われてしまった方、これからですよ、本番は。
この記事の対象者は
・モンテネグロでバス移動を考えている方
・ブドヴァってどういう街なの?と思われている方
・ブドヴァからスヴェティ・ステファンへの行き方を探している方
・スヴェティ・ステファンの撮影スポットを探している方
このような方々には、きっとお役に立てると信じています。まあ、それ以前に、このような方々が世の中にどれくらいいらっしゃるのか、という基本的な問題はあるとは思いますが。それでもいいんです。例え一人でも、どこかのだれかのお役に立てれば。ということで、いつものように今日も元気に行ってみましょう。
前回の記事からの続きで、2023年4月のお話です。私は、オストログから列車でポドゴリツァに戻ってきました。オストログで、めちゃくちゃ早足で下山してきて、10:57発の列車に乗ることができたため、11:43にはポドゴリツァ駅に戻ってこれました。鉄道は、ほとんど遅れなしです。お昼前に戻ってこれたのはデカいです。これでかなり余裕ができました。ポドゴリツァ鉄道駅を出たすぐ近くにバスターミナルがあります(このあたりには、駅とバスターミナルとCafeしかないので、ほぼ迷わないと思います)ので、そこからバスに乗ることになります。
これが、先ほど、迷わないだろうと申し上げたバスターミナルの建物ですね。ポドゴリツァ駅前にどっしりと構えております。知れてはいますが、鉄道駅よりはまだ活気があります(まだマシというレベルですが)。

が、私は、実はここに来る前に、既にバスチケットは購入済みでした。どこから購入したかと言いますと、このサイトからです。
このサイトの会社、特定のバス会社のホームページというわけではなさそうで、位置づけ的にはモンテネグロの長距離バスのチケットを一手に引き受けているサイトということのようです。完全プライベートで有志がやっているというわけではなさそうで、例えばこの下写真は、ポドゴリツァバスターミナルの内部写真ですが、右前方にチケットオフィスがあり、そこにちゃんと緑色の窓口で「busticket4.me」と書かれているのが見えるでしょうか(スマホとかで拡大して見てみてください)。つまりは、ちゃんとした公式のチケット購入ページですので、その点はご安心ください。

もちろん、結論を言いますと、上写真の窓口でもチケットは買えます。当日、バスのスケジュールに縛られたくない方は、当日買いでいいと思いますし、当日買いは心配だし予め購入しておきたいという方は、このサイトを利用すればいいと思います。
ただ、私の経験から言いますと、意外とモンテネグロの長距離バスは混んでいます。特にポドゴリツァ、ブドヴァ、コトル、ヘルツェグ・ノビあたりの、主要都市を通るバスなんかは、特に混んでいるとは思います。下写真が、私が乗ったポドゴリツァ⇒ブドヴァ線のバス内部の様子です。結構乗ってますよね。私、窓側に座っていましたが、結局、隣(通路側)も乗ってきました。私は、全然旅の達人でもなく、保守的な人間なので、私は事前に買っておくほうが安心できます。

ということで、ここからは上のサイトから事前にチケットを買ったという前提でお話します。下写真が、そのサイトから買ったチケットで、トータル7.6ユーロです。まず、注目は、赤丸で囲ったStation Feeの1ユーロです。これは何かといいますと、モンテネグロの主要都市のバスターミナルでは、バスのホームに入るために料金が1ユーロかかります。入場料のようなものです。

下写真が、ホームに入るためのゲートです。この先に、バス発着場所があるということです。こういった仕組みは、セルビアなんかでも行われているそうです。モノは考えようで、ホームレスなんかは入ってこれなくなりますよね。まあ、言うほどこの国でホームレスはお見かけしてはおりませんが。つまりは、上のようにStation Feeがすでに含まれているチケットをお持ちの方は、バーコードをかざすだけでOKです。ちなみに、このStation Feeは、途中の道端のバス停から乗る場合はかかりません。

ところがですよ。なぜか、購入したチケットには、このStation Feeが含まれていないときがあります(同じサイトから購入したのに、ですよ)。下のなんかは、ブドヴァ⇒コトルのバスチケットですが、Station Feeが入っていませんでした。最初は、ブドヴァのバスステーションはStation Feeがかからないのかなあと考えたりもしていましたが、実際に行ってみたら、ちゃんとゲートありました。なんなんでしょう、値段が安すぎるからかなあ(ブドヴァ⇒コトルは3.1ユーロ)と思ったりもしてますが、確固とした結論には至っておりません。要は、そのチケットを見て対応してください。で、このように、Station Feeが含まれていないときは、窓口で、Station FeeとかPlatform Feeとか言って、1ユーロ払って購入してください。下写真の上に重ねてあるほうが、1ユーロのStation Feeチケットです。ちゃんとこれだけでも買えます。

Station Feeへの対応については、以上となりますが、追加料金のお話ついでに、荷物を預ける場合のフィーについても触れておきます。あまりに大きい荷物は、バスの下に入れるよう言われるようで、その際には1ユーロの追加料金がかかります。実際に支払っている人もいました。まあ、イメージ的には、チップみたいな扱いですね。私は、今回は、リュックのみだったので、車内に持ち込み、特に何も言われませんでした。
そして、次に、バス乗降場所(プラットホーム)に入ってみます。当然、目的のバスが何番ホームに来るかが一目でわかるような電光掲示板のようなものは存在しません。予測で近づき、自らの目と耳で確認するしかありません。
はじめ私は、モンテネグロのバスなんて、そんなにないだろう、来たらだいたいわかるだろう、とタカを括っていましたが、いやいや、実は、意外と頻繁にバスが来ます。これも、この国では、バスが一番便利な交通手段だからなんだと思います。で、だいたい、めちゃくちゃ早めに来ることは絶対にないので、5分前くらいから、準備開始でいいかと思います。

で、準備とは何かというと、入ってきたバスに当たりをつける作業です。このバスだろうな、というバスのところに行って、バスについている行先のサインボードを見るのが一般的な動きとなります。と一言で、簡単に言ってしまいましたが、実はこれ、結構難しいです。というのは、来るバス来るバス、だいたい、コトル(Kotor)だのブドヴァは(Budva)だの、かなりの確率でサインボードの中に書かれます。そうなんです、モンテネグロは小さい国なので、だいたいこれらの主要都市を巡るようなルート構成になっているんです。で、だいたいの人は、ポドゴリツァ、ブドヴァ、コトル、ヘルツェグ・ノビなんかが目的地のはずですが、結局、ほとんどのバスの行先サインにこれらの地名が入っていて(経由地として、という意味合いです)、結局皆さん、運転手に群がって聞いているという状況です。

このバスなんかも、結局、ポドゴリツァ、ブドヴァ、コトルが書いてあり、で結局どれなんだよ、ってな話になります。

最終的に、私が導き出した結論としては、「バス会社で判断すべし」という対応策で、いちいち運転手に聞く回数を格段に減らせましたので、よかったら、参考にしてください。もう一度、最初のチケットを再掲しますね。この上のほうに載っている「Carrier:ALO EXPRESS」に注目します。

すると、確かにこのくらいの時刻にALO EXPRESSと書かれたバスが来ました。他のバスも見ていたところ、確実にバスの横には会社名が書かれています。こんな感じですね。つまり、ほぼこれくらいの時刻にやってくる、チケットに書かれた会社のバスに乗る、そして、念のために行先も最終確認のために見る、と思っておけば、だいたいいいんじゃないかと思います。これで、だいぶ、来るバス来るバスに対して、運転手に質問するために右往左往することが減らせると思います。そういう方々も見かけますが、我々アベレージ日本人としては、スマートに行きましょう。

ということで、目的のALO EXPRESSのバスに乗り、1時間10分くらいで、ブドヴァの街が見えてきます。欲を言えば、右側のほうが景色がよくて、眼下にブドヴァの街が広がります。

最終的には、ポドゴリツァから1時間半。ブドヴァのバスターミナルに到着しました。ヤシの木に囲まれている南国風のバスターミナルです。日差しもだいぶ違います。

街並みだって、南国リゾート感たっぷりです。1時間半前には、あのポドゴリツァにいたことが信じられないくらい、まるで違う風景です。

アドリア海沿いを散策してみます。おー、これは完全にリゾート地ですね。片道7.6ユーロでここまで変わりますか。

そういえば、時間は午後3時頃。お昼ご飯を食べるのを忘れていました。さすがに、今日はオストログ修道院の往復もありましたので、夜まで何も食べないというわけにはいきません。海沿いにあるGYROSというちょっとしたファーストフードを頂くことにしました。

GYROSは、正確にいうと、ギリシャ料理ですが、まあいいです。何か食べることができれば、それだけで今は満足です。海沿いの風を受けながら、これはこれでなかなか気持ちいいものです。そして、何より安いです、3~4ユーロです。

お腹も満たされましたので、海沿いをもう少し歩きます。先のほうまで歩いていくと、突き当たったあたりに、旧市街が見えてきます。下写真で言うと、前方の建物群ですね。

旧市街は、近づくとわかるのですが、城壁に囲まれています。こんな感じで、いくつか門があって、中に入れるようになっています。

クロアチアのドゥブロブニクを小さくしたような街ですが、これはこれで、小さいなりに街歩きが楽しい街です。私は、正直あまり知りませんでしたが、この街、意外といいかもしれないです。もしかしたら、ポドゴリツァの後だからそう思えるのか?とも一瞬思いましたが、いやいや、ここだけでも十分な観光地だと思います。

ほら、こんな景色だって、ここがドゥブロブニクだ、と言われても、わからないくらいだと思います。こんな路地なんかも、結構雰囲気ありますよね。

見所としては、このような大聖堂があったり。

こんな教会があったりします。それぞれの建物はそこまですごくはないですが、この南国風の雰囲気と相まって、テンションは高まります。

こんな遺跡のようなところもありました。この遺跡の向こう側が大きな城壁のようになっています。

この城壁、中に入って上に登ることができます。この街を一望する構図を撮影するためには、この城壁を攻略するのが手っ取り早そうです。

CITADELAと書かれています。城塞のことです。看板にも値段は書いていませんが、4.5ユーロでした。これは高い。ん、高いのか?スイスからモンテネグロに来て、金銭感覚がごちゃごちゃになってきました。もちろんこれがスイスであれば、この金額は平常運転です。が、ここはモンテネグロ、やっぱり高い気はします。

ですが、城壁の上からはいい写真が撮影できそうですし、このまま他に良さそうな撮影場所を探し回るよりは、景色と時間をお金で買うと言いますか、もう中に入ってしまうことにしました。中に入って、高級な景色を見に行きます。まずは、城塞からみるアドリア海です。なかなか気持ちがいいところです。

さらに上に上がって行けます。もちろん、いい景色を狙うためには、上へ上へと上がります。これはもう習性のようなもので、どんなに疲れてても体が勝手に動きます。

上写真でいうところの、モンテネグロ国旗のあたりから見たのが、下写真です。おそらく、ここが旧市街の全景を見渡せる写真が撮れる場所なんだと思います。あとは、山の上のほうから狙うという手もありますが、いかんせん、遠すぎます。今日の私には、そこまでの時間はありません。この後、まだスヴェティ・ステファンというところに向かわないと行けませんので。今日のところは、この写真でご容赦ください。

やっぱりこの街にもネコはいました。この手の写真、もはやバルカン名物です。恒例行事です。私も忙しいながらも、ネコを見つけては、せっせと写真撮ります。

ブドヴァ散策はこれくらいにしておきます。正直、もう少しじっくり観たかったというのはありますが、今日のホテルはブドヴァではなく、スヴェティ・ステファンというところです。そろそろ移動しておいたほうが良さそうです。スヴェティ・ステファンというのは、ブドヴァから海沿いを南東へ約10km行ったところにある、小さな街です。ここは、先ほどポドゴリツァから乗ってきたような長距離バスで行くようなところではありません。広い意味ではブドヴァの中みたいなもんで、ローカルバスで移動します。したがって、予約するようなものでもありません。

つまりは、このローカルバスの乗り場は、先ほど到着したバスターミナルとは違います(バスターミナルは基本的には長距離バス用ですので)。下地図の、上のほう「Budva Central Bus Station」というところが、長距離バスのバスターミナルです。今日、ポドゴリツァからここに着いたということです。そして、ここから海沿いに出て、下のほうにある「Budva Old Town」へ向かった、というのがここまでの動きです。更に、下地図には、「Bus stop to Sveti Stefan / Petrovac」というところにもマークさせて頂きました。ややOld Town寄りのところですね。長距離バスのターミナルからは1.1km、徒歩15分と出ています。この場所から、スヴェティ・ステファン行のローカルバスが出ています。

正直言いますと、長距離バスターミナルから、15分、1.1kmも歩かなくても、実は幹線道路(オレンジ色の道路)E80という道沿いにもバス停はあるのですが、話がややこしくなってしまうので、「Bus stop to Sveti Stefan / Petrovac」というところから乗ると思っておいてください。ここがスヴェティ・ステファン行きローカルバスの始発地点となっております。
拡大すると、こんな感じで広場のようになっているので、比較的簡単に見つかると思います。

この広場を写真撮りました。こういうロータリーみたいなところです。

Google Mapってほんと正確ですよね。このマップの通り、広場の(地図でいうと)左側、まさにピンが立っているあたりに、ちゃんとバスが停まっていました。この下写真のマイクロバスっぽいのが、それになります。

この下の白いフニャっとした建物、遠くからでもよく見えるので、迷ったらこのビルを探してください。

下写真が時刻表です。基本的には、真ん中を見ればいいです。真ん中が、ブドヴァ⇔スヴェティ・ステファン線です。真ん中の掲示のうち、上がBudva(Center)発の時刻表、下がSveti Stefan発の時刻表となっております。つまり、上のBudva(Center)発がまさしくここを出発する時刻ですね。かなりの本数があります。9時~17時に至っては、20分間隔のようです。ちなみに、Budva-Petrovac線でも、実はSveti Stefanは通りますが、少し離れたところに停まります(詳細は後ほどお話します)。ですので、結論を言うと、ここに停まっているバスはどれに乗ってもスヴェティ・ステファンには行くには行けますが、一般的には真ん中の普通にスヴェティ・ステファン行きに乗るのがいいと思います。Petrovac行きは、ご覧のとおり、本数が少ないので、普通に行けば、まずスヴェティ・ステファン行きに当たると思います。

一応、バス時刻表の話になりましたので、補足しておきますと、この時刻表は、どこのバス停でも同じものが掲示されています。実は以前、ルーマニア・クルジュナポカの時にも少しだけ触れましたが、こちらのほうの国々では、バス停毎の時刻表なんてありません。始点のバス停の時刻表だけがだいたい載っています。そこから、自身が今いるバス停に到着する時刻を予想して待っていないということになります。そういうときは、Google Mapのルート検索で、手段を車にして、車ルートでの所要時間を割り出し、そこからだいたいの到着時刻を予想してください。
ということで、スヴェティ・ステファン行きのバスに乗り込みます。一応、行先は確認してください(フロントウィンドウに書いてあるはず)。

料金は、乗るときに運転手に直接支払います。2023年4月時点で、2.5ユーロでした。

スヴェティ・ステファン行きのローカルバスは、少し高台のこのような街外れに到着します。ここから下りていくと、海岸に行くことはできますが、今回予約したホテルは、更に上のほうにあるので、私は更に登ってまずはホテルを目指します。

スヴェティ・ステファン周辺の地図で言うと、「①ブドヴァ⇔スヴェティ・ステファンのバス停」と記載した場所です。ちなみに、ブドヴァからもしPetrovac行きのバスに乗ってしまったら、「②ブドヴァからペトロバツ行きのバス停」の場所に停車します。これは平面地図なので、わかりにくいですが、ここは、だいぶ上のほうになります。海岸まではだいぶ下って行かなくてはなりません(が、このバス停、もし、Hotel Adrovic宿泊なら絶好の場所ではあります)。

私が今回宿泊したのは、このマップ上で赤く囲ったHotel Adrovicというホテルです。ホテルの公式ページから予約しました。
with Sea Viewのお部屋で、83.6ユーロでした。ホテル予約を進めていくと、Prepayment discount 5%みたいなのがあって、それを選んだところ、なぜか結果、Prepaymentにならずに(つまり最終的には現地払い)、けれども5%の割引を受けられました。謎です。ここはモンテネグロなので、そういうこともあるということです。2023年4月時点の話です。いつかシステム的に直っているかもしれないですね。

83.6ユーロ(朝食込み)の割には、部屋はきれいです。

そして、なによりも、お部屋にテラスが付いていて、そこからスヴェティ・ステファン島が眺められるのがいい感じです。

このホテルから、スヴェティ・ステファン島がこのような角度で見ることができます。構図的には、ちょうどいい角度だと思います。

ところで、このスヴェティ・ステファン島、残念ながら中に入ることはできません。いや、正確に言うと、中が高級リゾートホテルになっていて、その宿泊者のみが入島できるそうです。が、今はオフシーズンのためか、その高級ホテルもクローズしているらしく、近づいてみましたが、人の気配がありませんでした。下写真のように、橋は渡ることはできます。

橋を渡った先で、完全に行き止まりです。奥の黒い扉は、鍵がかけられていました。

仕方なく、海岸をうろうろしながら、スヴェティ・ステファン島に沈む夕日を撮影してみました。このスヴェティ・ステファンという街は、結局、この景色を見るのがメインの街のようで(あくまでオフシーズンの話です)、街らしい街ではありません。レストランなんかも非常に少ないです。もしかしたら、ブドヴァ宿泊で、ローカルバスに乗って、スヴェティ・ステファン島だけを撮影しに来る、というプランも有りだと思います。

結局、海岸沿いの島近くまで下りて行きましたが、適当なレストランもなく、Hotel Adrovicに戻ってきました。結局のところ、このホテルのレストランが、景色もいいし、ランク的にも丁度いいです(海岸沿いに、高級っぽいレストランはあったようですが)。やっぱり海沿いに来たので、シーフードですね。本日は、アドリア海の夕日を眺めながら、シーフードパスタを頂きました。なかなか気持ちのいいオープンテラスのレストランです。

このレストランからも、もちろん、スヴェティ・ステファン島を見ることができます。まあ、私は一人でしたが、結構ロマンティックなシチュエーションだとは思います。

そういえば、海を背にして、山のほうを見上げると、山の頂上付近に教会のような建物が、小さく見えました。ん?これは、どう見てもドゥブロブニクで言うところのスルジ山パターンではないですか。確かスルジ山から見るドゥブロブニク旧市街もだいぶいい景色だったと記憶しています。ということは、あそこの頂上の教会からも絶対いい景色が見れるはずだ、と思い、この日の夜は、この教会について、めちゃくちゃ検索しながら、眠りにつきました。

位置関係から、Google Mapを見た限り、どうやらあの建物は「St. Sava Church」(サヴァ教会)だということまではわかりました。問題は行き方です。スルジ山の場合は、ロープウェイがありましたが、ここにはどう見てもそんな乗り物はありません。調べていくと、外国人の多くの方が、まず車で行かれているようで、それは日本人アベレージ代表として、そんな行き方を知りたいのではありません。日本人アベレージは、おそらくモンテネグロでレンタカーを借りないと思いますし。中にはタクシーなんて人もいて、それも、アベレージとしてはちょっと違います。どうしても、いい方法が見つからなかったので、もう自力で歩くことにしました。まずは、Hotel Adrovicの前の幹線道路を、Petrovac方面へ歩いて行きます(ブドヴァとは逆方面ということです)。Blizikućeというエリアまで歩きます。Sveti Stefanの隣町がBlizikućeです。

私の足で、8:50にHotel Adrovicを出発して、9:13に下のような場所に来ました。所要23分くらいですね。

さて、この場所、下のマップでいうところの、「ここから入っていく」と示したところです。そして、よく見ると、道路の両サイドのバス停があります。2023年4月時点でグーグルストリートビューには出てこなかったのですが、実際に行くと、バス停シェルターが設置されています。

このバス停が、Blizikućeのバス停です。つまり、ここまでバスで来れるということなんです。もちろん、帰りもここからバスに乗れます。この路線は、前日、ちらっと話が出てきた「Budva-Petrovac線」です。つまり、ブドヴァからもここまで簡単に来れますし、Hotel Adrovic近くにあるPetrovac行きのバス停からも簡単に来れます。ただし、本数が少ないので、時間が合えば、という制約はつきます。

これがこのバス停に貼られていた時刻表です。私はここまで歩いてきてしまいましが、ブドヴァ8:10発(=ということはHotel Adrovicが8:25くらい。この時刻表の調べ方は、先の述べた通り。出発場所を起点として、自分で到着時刻を予想する)に乗れば、簡単に来れたことになります。

一方で、この後、そのまま(スヴェティ・ステファンに寄ることなく)ブドヴァへ直接行きたかったので、帰りはここから乗ればいいということになります。今は9:15頃。Petrovac11:10発に乗れるようにこのバス停に来れば良さそうです。グーグルマップでのルート検索をもとに予測すると、PetrovacからこのBlizikućeのバス停までは、15分といったところでしょうか。11時25分を目指して戻ってくるという目途を立てます。この時間設定はあくまで目安です。今から先に言ってしまいますと、バスは11時22分に来ました。道路は空いていて、意外と早く来るので、ご注意ください。
下写真が、バス停から振り返ってスヴェティ・ステファン方面を見たところです。右前方に入って行く道があるのが見えるでしょうか。ここを入っていきます。

こんな感じの道をひたすら上がっていきます。最初地図で見ただけだと、誰もいない山道を歩いていくのかなあと思ったりもしていましたが、全然そんなことはなくて、ただの高級住宅街です。プール付きの家なんかも出てきます。ポドゴリツァの無機質な団地群とはまるで違う世界です。とても同じ国とは思えません。旧社会主義の、一国家のなかでも、こんなに差が出てしまうのか、とこのときは思っていました。

そして、ヨーロッパでは珍しいなと思ったのは、この日は日曜日、しかも午前中だというのに、このエリア、家の建設が行われているところが非常に多いです。建設ラッシュです。西ヨーロッパ諸国では、日曜はまともに働きません。工事業者だってだいたい休みますが、ここでは、日曜朝から働いています。私のような観光客にも、ハローとか言って声かけてくれたり。ほんと、皆さんいい人たちです。
(後日追記)ここからは後日談ですが、このあたりの家は外国人(特にロシア人)が購入することが多いそうです。確かにロシアナンバーの車を見かけました。それから、ポドゴリツァの無機質な団地群に住んでいる人達は、必ずしも貧しいわけではないそうです。「逆に(街の中心に住んでいる)彼らは、お金持っている」と言っていました。どこかの社長さんなんかも住んでいることもあるそうです。どうりで、ポドゴリツァなんかでも、建物はまるで廃墟のようなのに、治安の悪さをあまり感じなかったのはそのためでしょうか。建物が古くて汚いのは、政府がリノベーションを許さないからだそうです。建物の見かけで判断してはいけないようです。世の中広いですね。家の良し悪しで、人の貧富を判断してしまっている自分が恥ずかしい限りです。大変失礼しました。

こんな岐阜県多治見あたりにありそうな、車がないと生活しづらそうな新興住宅地だってあります。

St. Sava Church(サヴァ教会)まで続く道を総括しますと、まず、最初のほうが登りがちょっときついかもしれません。最初に一気に標高を稼ぐパターンです。そして、最初に登り切ってしまったら、後は、比較的平坦な道になります。ですので、最初で諦めないでください。後から楽になりますので。
目的のサヴァ教会い到着しました。この時点で、10:00頃。下のBlizikućeのバス停から徒歩45分くらいですね。車で来られる場合は、ご覧の通り、手前のスペース、停め放題だと思います。

門のなかに入っていきます。小さな祠のような教会が見えます。この教会自体は、鍵がかかっていて中に入れませんし、特筆すべきことはありません。

この教会でのハイライトは、何と言ってもこの景色だと思います。まさにドゥブロブニクのスルジ山と同じような構図で撮影することができると思います。まあ、ドゥブロブニクよりは全然小さいですが。

きっとこういうところに立って、インスタ写真を撮ったりするのが、正解なのかもしれませんが、いかんせん私一人だけでは、どうすることもできず。誰もいない写真となってしまいました。

ということで、「サヴァ教会からのスヴェティ・ステファン島の撮影」、徒歩にてコンプリートです。同じ道を引き返して(10時20分頃出)、Blizikućeのバス停に戻ってきました。帰りは40分くらいかかって、11時頃にバス停到着。11時22分頃に来たバスに乗って、ブドヴァへ直接行くことができました。バスの値段は、2.5ユーロと、昨日のブドヴァ⇒スヴェティ・ステファンと同じ料金設定でした。

昨日、ブドヴァのローカルバスの乗り場のところで、ローカルバスのバス停は、長距離バスターミナルから1.1km離れているが、「実は幹線道路(オレンジ色の道路)E80という道沿いにもバス停はある」と申しました。まさに下写真がその降車場所です。ローカルバスはそのまま、Budva(Center)まで行きますが、手前の長距離バスターミナル近くの幹線道路沿いのバス停で降りることはできます。もちろん、スヴェティ・ステファン(およびPetrovac)方面へ、この幹線道路沿いのバス停から乗ることもできます。この場合は、下写真よりだいぶ手前(一個信号を挟みます)の逆車線にバス停はあります。
まあ、それでもバスターミナルに横付けとはいきませんので、少し歩くことには変わりませんが、ちょっとだけの時間短縮です。

私の場合は、この幹線道路沿いのバス停で降りて、長距離バスターミナルへ移動。ここから次はコトルを目指します。③コトル編へ続きます。